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CHEMICAL LOGISTICS / 04

建てる・運ぶ・自動化する。
防爆対応の公表を並べる。

危険物倉庫の建設会社、自動倉庫メーカー、防爆フォークリフトや防爆AGVの提供者を、領域・提供内容・防爆対応の公表・定温対応の公表で整理します。

危険物倉庫の通路でドラム缶を載せたパレットを運ぶ防爆仕様の電動フォークリフト

危険物倉庫を「建物」「設備」「搬送」の三層で読む

最終更新日:

本ページは各社の公式サイトと官公庁の公表資料から確認できた事実項目だけを並べています。順位付けや優劣の判断は行いません。確認できない項目は「公式サイト参照」と表記しています。

危険物倉庫は、倉庫の建物だけで成り立つわけではありません。建物、庫内の設備、荷物を運ぶ機器の三層が、それぞれ消防法や電気設備の規制と結び付いています。建物は、消防法の保管規制と指定数量で見たように、軒高、床面積、耐火構造、保有空地といった基準を満たす必要があります。庫内の設備では、換気、可燃性蒸気の排出、床の構造に加え、電気設備の防爆が論点になります。搬送では、フォークリフトや自動倉庫、無人搬送車が、可燃性の蒸気がある場所で火花を出さない構造であるかが問われます。

このページでは、この三層に関わるプレイヤーを、公式情報で確認できた範囲で並べます。建設を担う会社、自動倉庫と搬送システムのメーカー、防爆仕様のフォークリフトやAGV(無人搬送車)の提供者の6者です。扱う領域が異なるため、同じ尺度で優劣をつけることはできません。そこで、領域、提供内容、防爆対応の公表、定温対応の公表という事実項目に絞って並べています。

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防爆とは、電気設備などが点火源となって、可燃性のガスや蒸気に引火することを防ぐ構造や措置を指します。国内の工場電気設備防爆指針などに沿って、耐圧防爆構造、安全増防爆構造、本質安全防爆構造といった方式が使い分けられます。方式の名称と、各社が公式に用いている表現が一致しているかを、表の「防爆対応の公表」の列で確認できるようにしています。

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【比較表】危険物倉庫の建設・防爆設備・自動化と事実項目

プレイヤー運営会社・本社領域提供内容防爆対応の公表定温・空調対応の公表公表実績の有無・備考
三和建設(RiSOKO)三和建設株式会社(本社は大阪市淀川区)建設(設計施工一貫方式の倉庫建設)危険物倉庫の建設ブランド「RiSOKO」。全国危険物倉庫マップを公式サイトで公開建物の防爆設備の個別対応は公式サイト参照定温管理にも対応と記載あり(施工実績のページを公開。件数は公式サイト参照)
日鉄エンジニアリング日鉄エンジニアリング株式会社(東京都品川区)建設(システム建築)危険物倉庫専用システム建築「スタンロック」を2025年4月24日に販売開始と発表防爆設備の対応は公式サイト参照定温・空調の対応は公式サイト参照あり(モデル事例として岡山県備前市の延床面積856平方メートル、埼玉県加須市の990平方メートルを掲載)
ダイフク株式会社ダイフク(本社は大阪市西淀川区御幣島)自動倉庫・搬送システム(マテリアルハンドリング)危険物用パレットラック、危険物移動ラック(防爆仕様)、危険物自動倉庫(防爆仕様)を案内移動ラックは1種場所(耐圧防爆構造)、2種場所(安全増し防爆構造)に対応と記載定温・空調の対応は公式サイト参照あり(導入事例にトーヨーケム株式会社様、埼玉県川越市の建屋一体型危険物自動倉庫を掲載)
村田機械(ムラテック)村田機械株式会社(本社所在地は公式サイト参照)自動倉庫・搬送システム危険物保管ソリューションとして、危険物保管用の自動倉庫を提供防爆式自動倉庫の採用を案内し、防爆検定合格品の選定を挙げる。方式の詳細は公式サイト参照耐火被覆の施工を記載。定温・空調の対応は公式サイト参照あり(1971年の初納入以来、危険物保管自動倉庫の実績があると記載)
三菱ロジスネクスト株式会社ロジスネクスト(京都府長岡京市)搬送機器(フォークリフト)防爆型バッテリーフォークリフト(カウンター、リーチ、ウォーキー式ハイリフトの3系統)防爆検定の合格を掲載。電気機器は全密閉式の耐圧防爆構造、バッテリーは安全増防爆構造と記載(第2種危険場所向け)対象外(機器の提供)あり(日本で最初に防爆検定に合格して以来、国内最多の機種構成と納入実績と記載)
三菱重工業三菱重工業株式会社(本社所在地は公式サイト参照)搬送機器(無人搬送車・ロボット)磁気誘導式の防爆無人搬送車(AGV)。2021年2月9日に開発と初号機の納入を発表工場電気設備防爆指針(Ex2018)に準拠、危険場所Zone1で使用可能と記載。耐圧防爆(Ex d、IIB T3)対象外(機器の提供)あり(初号機の納入を発表。最大牽引能力800キログラム、ニッケル水素蓄電池と記載)

2026年10月時点、各社公式サイト・公開資料に基づく。最新情報は各社サイトで確認してください。

比較表の読み方:防爆の表記は方式と場所区分を分けて見る

表の「防爆対応の公表」には、方式と場所区分が混在しています。方式は耐圧防爆構造や安全増防爆構造のような機器の構造を、場所区分は1種場所や2種場所、Zone1のような使用できる危険場所の区分を指します。同じ「防爆」という言葉でも、どの方式で、どの場所区分に対応するのかによって、使える現場が変わります。ダイフクの移動ラックは、1種場所は耐圧防爆構造、2種場所は安全増し防爆構造に対応と案内しています。三菱ロジスネクストは、第2種危険場所での作業向けとして防爆型フォークリフトを案内しています。三菱重工業のAGVは、危険場所Zone1で使用できる防爆設計と発表しています。

注意したいのは、防爆機器があれば倉庫が危険物の基準を満たすわけではない点です。倉庫の建物側の基準は政令第10条が定める別の話であり、電気設備について政令は「電気工作物に係る法令の規定による」と定めています(第9条第1項第17号。屋内貯蔵所は同条の例による)。機器の選定と建物の設計は、所轄の消防の確認を受けながら、一体で決める必要があります。

また、「定温・空調対応」の列に「対象外」とした機器メーカーは、機器そのものの性質上、庫内の温度管理は建物や空調設備の側の話であることを示しています。定温倉庫の情報は、建設会社の公式サイトで確認できる範囲に限っています。三和建設は定温管理にも対応すると記載していますが、温度の範囲や設備の仕様は公式サイトでは示されていないため、検討時には個別に確認する項目になります。

防爆性能とフォークリフトに関する消防の通知

危険物施設で使う運搬用車両については、昭和47年8月22日付の通知(発消指第696号)が、使用の考え方を示しています。この通知を掲載した京都市消防局の資料によれば、危険物製造所等のうち、可燃性の液体、蒸気、ガスが漏れ、または滞留するおそれのある場所、あるいは可燃性の微粉が著しく浮遊するおそれのある場所で、原動機により運転するフォークリフト等を使用する場合は、次の取扱いとされています。

  • フォークリフト等は、防爆性能を有する構造のものであること。ただし、第3石油類、第4石油類及び動植物油類のみを常温において貯蔵し、または取り扱う場合は、この限りでない。
  • 使用場所は、運転操作に支障のない広さを有すること。
  • 車体の接触等により火花が発生するおそれのある箇所には、緩衝材の取付け等の火花発生防止措置を講じること。
  • 運転操作は、危険物取扱者に従事させるか、危険物保安監督者または危険物取扱者の立会いを十分に行わせること。
  • 消防法第10条第3項に基づく貯蔵及び取扱いの技術上の基準が、十分に遵守される作業内容であること。

この通知は、フォークリフト等の使用に際して、あらかじめ関係資料を提出させ、構造、設備、使用場所等の安全性を確認することも求めています。つまり、防爆フォークリフトを導入するかどうかは、荷主や倉庫事業者が単独で決められる事項ではなく、取り扱う危険物の品名や、場所の状況に応じた消防の確認を前提にしています。第4類の中でも、引火点の低い第1石油類やアルコール類を扱う倉庫と、第4石油類や動植物油類だけを扱う倉庫では、求められる水準が異なる点に注意が必要です。

建設領域:行政協議と、システム建築という選択肢

危険物倉庫の建設は、通常の倉庫とは進め方が異なります。消防法第11条の許可を受けるため、設計の段階から所轄の消防と協議し、基準の解釈を確認しながら図面を詰めていきます。建設会社が「行政協議のノウハウ」を強みに挙げる背景には、この事情があります。三和建設は、危険物倉庫の建設ブランドRiSOKOの公式サイトで、設計施工一貫方式であることや、危険物倉庫を建設できる地域の考え方を解説し、全国危険物倉庫マップも公開しています。このマップは三和建設独自の調査に基づくもので、事業所の住所を参照しているため、実際の倉庫の位置とずれる場合がある旨が注記されています。

もう一つの選択肢が、工場で部材を生産して現場で組み立てるシステム建築です。日鉄エンジニアリングは、2025年4月に、危険物倉庫専用のシステム建築「スタンロック」の販売を開始したと発表しました。同社は、EC(電子商取引)の普及に伴い、アルコール類やリチウムイオン電池を使用した商品など、危険物の保管需要が増加していることを背景に挙げています。消防法に定められた危険物倉庫の床面積、軒高、構造、材質などの制限・基準を満たすよう、既存のシステム建築商品「スタンパッケージ」をカスタマイズした製品です。同発表によると、スタンパッケージは1972年の販売開始以来、累計1万棟以上の実績があります。

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この二つの例は、建設の進め方が一様ではないことを示しています。設計施工一貫で個別に仕様を詰める方式と、標準化した部材と仕様をベースにする方式では、工期や仕様の自由度の考え方が異なります。どちらが適しているかは、扱う危険物の品名、必要な倍数、敷地条件、予算などによって変わるため、優劣は判断できません。

自動化領域:自動倉庫、移動ラック、AGVが担う役割

危険物倉庫の自動化は、人が危険な場所に長く滞在することを減らし、庫内の保管密度を高めるという二つの目的を持ちます。ダイフクは、危険物保管のソリューションとして、中規模倉庫向けの危険物対応の保管棚から、消防法の上限に対応する危険物自動倉庫までを案内しています。小中規模の保管施設では、ドラム缶や一斗缶を床に段積みすることがあり、荷物の量や種類が増えると荷繰りや先入れ先出しの管理が困難になるため、危険物用のパレットラックが解決策の一つとされています。平屋倉庫の面積を活用したい場合には、防爆仕様の移動ラックを案内しており、制御盤を非危険場所に設置することで、1種場所と2種場所に対応するという構成です。

導入事例では、トーヨーケム株式会社様(埼玉県川越市)の建屋一体型危険物自動倉庫が、原料のドラム缶を高密度で保管し、ドラム缶専用のパレタイザーと自動ピッキング装置で入出庫を行う事例として紹介されています。村田機械も、危険物保管のソリューションを案内しており、1971年の初納入以来、危険物保管自動倉庫の豊富な実績があると記載しています。

搬送機器の側では、三菱ロジスネクストが防爆型のバッテリーフォークリフトを、三菱重工業が磁気誘導式の防爆AGVを公表しています。AGVは、床面の磁気テープを読み取って無人走行する方式で、牽引物の自動着脱やバッテリー交換による連続運用に対応すると発表されています。自動化の導入は、人手不足への対応という文脈でも語られますが、危険物倉庫の場合は、防爆の適合と消防の確認が前提になるため、通常の倉庫より導入の手続きが増える点が特徴です。人手不足と自動化の一般的な動向は、関連サイトの産業ロボットが扱っています。

各プレイヤーのプロフィール:公式サイトで確認できる事実

三和建設(RiSOKO)

三和建設株式会社は、大阪市淀川区に本社と大阪本店を置く建設会社で、創立は1947年です。倉庫建設のブランドRiSOKOを運営し、危険物倉庫、食品物流センター、その他倉庫の設計施工を案内しています。ブランドの公式サイトは、「定温管理にも対応」と掲げ、危険物倉庫の建設ページでは、建築基準法の用途地域ごとの貯蔵制限の考え方などを解説しています。全国危険物倉庫マップは、三和建設独自の調査に基づく情報として公開されており、荷主が候補を探す入口として使える形式です。個別の施工実績は、公式サイトの施工実績ページに掲載されています。建設会社の公式情報として、用途地域や貯蔵できる数量の考え方まで公開している点は、検討の初期段階で前提条件を整理する材料になります。ただし、個別の敷地への当てはめは、所轄の消防との協議で確認する事項です。

日鉄エンジニアリング

日鉄エンジニアリング株式会社は、東京都品川区に本社を置く会社で、2025年4月24日に、危険物倉庫専用システム建築「スタンロック」の販売開始を発表しました。同社は、危険物の保管需要が増える中で、消防法などの関連法令の遵守に対応できる商品として、スタンパッケージをカスタマイズしたと説明しています。モデル事例として、岡山県備前市の延床面積856平方メートルと、埼玉県加須市の延床面積990平方メートルが掲載されています。いずれも、屋内貯蔵所の床面積の上限である1,000平方メートル以下の範囲に収まっています。標準化した建築商品として床面積の上限内に収まるモデル事例を示す形式は、規模のイメージをつかむうえで参考になります。防爆設備や定温設備の仕様は発表文の範囲では示されていないため、個別に確認する項目として残ります。

ダイフク

株式会社ダイフクは、大阪市西淀川区御幣島に本社を置き、東京本社を港区に構える、自動倉庫と搬送システムの会社です。公式サイトの危険物保管のページでは、危険物用パレットラック、危険物移動ラック(防爆仕様)、危険物自動倉庫(防爆仕様)の三つを案内しています。導入事例には、トーヨーケム株式会社様の建屋一体型危険物自動倉庫を掲載しています。公式の説明では、危険物自動倉庫はモーター、センサー、給電ケーブルなどを防爆対応としたスタッカークレーンで構成されます。また、危険物貯蔵用のラックには、非危険物用より高い耐震性能と、落下防止のチェーンやバーの設置など特別な仕様が必要で、消防署への構造計算書の提出といった届け出の義務もあると案内されています。

村田機械(ムラテック)

村田機械株式会社は、ムラテックの名称で自動倉庫や搬送システムを提供する会社です。公式サイトは、危険物保管ソリューションのページで、1971年の初納入以来、危険物保管自動倉庫の豊富な実績があると述べています。防爆式自動倉庫の採用で作業者の安全を確保しながら入出庫を支援すると案内しています。ラックの柱を構造柱として屋根や壁材を取り付ける建築一体型ビル式の自動倉庫で高密度保管を実現するとし、社内の一級建築士事務所の有資格者が設計を監修して、耐火被覆や防爆検定合格品の選定など、消防法をはじめ各種法規制に沿った危険物自動倉庫を提案するとしています。本社所在地は公式サイトで確認してください。自動倉庫が建物と一体になった形式を案内している点は、危険物倉庫の構造基準と設備を同時に設計するという前提を反映しています。個別の許可の取得状況や仕様は、公式サイトの範囲では示されていません。

三菱ロジスネクスト

株式会社ロジスネクストは、三菱ロジスネクストのブランドで、京都府長岡京市に本社を置くフォークリフトと物流システムの会社です。公式サイトの防爆型バッテリーフォークリフトのページは、第2種危険場所での作業に対応する商品として、日本で最初に防爆検定に合格して以来、数々の防爆仕様車を開発してきたと述べています。制御装置やモーターなどの電気機器は全密閉式の耐圧防爆構造、バッテリーは絶縁性能を高めた安全増防爆構造で、静電気を除去する導電性タイヤも装着するとされています。ラインアップは、カウンターバランスタイプ、リーチタイプ、ウォーキー式ハイリフトタイプの三つです。防爆の方式がカタログ水準で具体的に記載されている点は、検討時に現場の危険場所の区分と突き合わせやすい形式です。実際の使用可否は、取り扱う危険物の品名と場所の状況に応じて、消防の確認を受ける必要があります。

三菱重工業

三菱重工業株式会社は、2021年2月9日に、磁気誘導式の防爆無人搬送車(AGV)を開発し、初号機を納入したと発表しました。防爆移動型ロボットの技術をベースに、名古屋市の企業と協業して開発したとされています。工場電気設備防爆指針(Ex2018)に準拠した防爆設計で、可燃性ガスのある危険場所(Zone1)でも使えるとされ、最大牽引能力は800キログラムです。製品ページには、耐圧防爆(Ex d、ガス種別IIB T3)、ニッケル水素蓄電池、無線指令方式などが記載されています。本社所在地は公式サイトで確認してください。倉庫に限らず、爆発性雰囲気となり得る現場で重量物の搬送を自動化することを狙った製品として発表されたものです。危険物倉庫での使用を前提にした実績の有無は、発表文の範囲では示されておらず、導入を検討する場合は個別の確認が必要です。

一次情報の確認先と次のページ

倉庫の中の情報の管理、つまり化学品の安全データシートの管理と化学物質規制への対応は、次のSDS管理・化学物質規制とDXで整理しています。

本サイトは危険物の保管・物流に関する制度と業界を公開情報から整理したものであり、個別の施設計画・保管方法・法令適用に関する助言ではありません。危険物の貯蔵・取扱いは消防法・市町村条例等により所轄消防の確認が必要です。各社のサービス内容は変更されることがあります。